愛犬や愛猫と暮らしていると、抜け毛やほこり、においが気になり、掃除の頻度が増えることもあるでしょう。しかし、掃除は犬や猫にとって意外なストレスや健康リスクをもたらすことがあります。室内環境の変化によって乾燥やダニが増えることで、愛犬や愛猫の健康に悪影響を及ぼすことがあるため注意が必要です。
今回は掃除における注意点や室内環境の整備方法、乾燥対策やダニ対策などを詳しく解説します。
乾燥・ダニが原因の疾患
冬場は暖房器具の使用などにより室内が乾燥しやすく、犬や猫の健康に影響を与えることがあります。一方で、温度や湿度が適度に保たれるとダニが繁殖しやすくなり、それが原因でアレルギーなどの疾患を引き起こす場合もあります。
■乾燥が原因となる疾患
<皮膚疾患>
乾燥によってフケやかゆみが生じ、皮膚炎につながることがあります。特に皮膚が敏感な犬や猫は注意が必要です。
<免疫力の低下>
口や鼻の粘膜が乾燥すると、ウイルスや細菌に対する免疫力が低下し、風邪や呼吸器感染症のリスクが高まります。
■ダニが原因となる疾患
<アレルギー疾患>
チリダニやツメダニの死骸や排泄物がアレルギーを引き起こし、犬ではアトピー性皮膚炎、猫では喘息の原因になることがあります。
<皮膚トラブル>
ダニに刺されることで赤みやかゆみが生じる場合もあります。
大掃除時に注意すべきポイント
<換気と室温管理>
掃除では、ほこりやハウスダストが舞いやすくなります。そのため、掃除の際は適度に換気を行い、空気を入れ替えることが重要です。ただし、換気によって室内温度が下がるため、犬や猫を別の暖かい部屋に一時的に避難させ、換気後に室温が元に戻ったら戻すようにしましょう。
また、乾燥を防ぐためにも、加湿器などで適度な湿度を保つことも忘れずに行いましょう。
<犬や猫の一時的な避難場所の確保>
掃除中は家の中がいつもと違う状態になるため、犬や猫が不安を感じることがあります。不安やストレスを軽減するために、安心できる静かな部屋を用意し、使い慣れたタオルやベッドを置いてあげましょう。
猫の場合は高い場所を好むこともあるため、キャットタワーや棚の上を避難場所として活用すると良いでしょう。
<室内の乾燥が引き起こす問題点>
大掃除による換気や暖房器具の使用で乾燥が進むと、以下のような問題が発生することがあります。
・皮膚トラブル:フケやかゆみが増えるほか、皮膚バリアが弱まり炎症を起こすことがあります。
・呼吸器トラブル:鼻や口の粘膜が乾燥すると免疫力が低下し、ウイルスや細菌による感染症が発生しやすくなります。
冬場の室内環境整備方法
冬の室内環境では加湿器を活用し、湿度を50~60%に保つことが理想的です。湿度が低すぎると乾燥によるトラブルが生じるが、高すぎるとカビやダニが繁殖しやすくなります。そのため、湿度計を活用しながら適切な湿度を維持しましょう。
また、加湿器には以下の4種類があり、それぞれメリットとデメリットがあります。
<気化式:フィルターに風を当てて加湿>
・メリット:本体が熱くならないため安全
・デメリット:モーター音が気になる場合がある
<スチーム式:水を加熱して蒸気を発生>
・メリット:加湿能力が高い
・デメリット:吹き出し口が熱くなるため注意が必要
<超音波式:振動で霧状の水蒸気を発生>
・メリット:運転音が静か
・デメリット:雑菌が発生しやすい
<ハイブリッド式:気化式とスチーム式を組み合わせたタイプ>
・メリット:加湿効率が良い
・デメリット:電力消費が大きい
加湿器は部屋の中央やエアコンの吸入口付近に設置すると、効率的に加湿できます。また、加湿器を使用しない場合は、水を入れたコップを置く、濡れタオルを干すなどの方法も活用しましょう。
ダニ対策と予防方法
冬は室内の布団やラグ、ソファなどにダニが繁殖しやすいです。特に注意が必要なダニは以下の2種類が挙げられます。
・チリダニ:人やペットの垢やフケ、食べこぼしを餌に繁殖します。
・ツメダニ:チリダニを餌にして繁殖し、刺されるとかゆみを引き起こします。
<日常的にできるダニ対策>
・換気:湿気をこもらせないため、定期的に部屋を換気します。
・布団やラグのケア:日干しや布団乾燥機を活用し、ダニの繁殖を防ぎます。
・掃除機の使用:ダニの死骸もアレルゲンになるため、掃除機でこまめに掃除しましょう。
・定期的なグルーミング:皮膚の健康を保つために、グルーミングも有効です。犬の場合は毎日、猫の場合には長毛種は2~3日に1回、短毛種は週1回程度行いましょう。
よくある質問
Q1:掃除中の犬や猫の居場所は?
静かで快適な室温と湿度を保てる部屋を用意してください。犬の場合はお気に入りのベッドやおもちゃを、猫の場合は高い場所でくつろげるキャットタワーなどを設置すると安心できます。
Q2:ダニ予防グッズの選び方は?
においが強すぎず、犬や猫が舐めても安全なものを選びましょう。自然由来の成分を使用した商品が安心です。
Q3:乾燥による皮膚トラブルの見分け方は?
フケが増えたり、かゆがったりする様子が見られたら乾燥が原因の可能性があります。加湿やグルーミングで改善しない場合は、動物病院で相談してください。
まとめ
掃除は、人にも犬や猫にも快適な環境を保つために大切です。しかし、室内の乾燥やダニの繁殖といった問題が犬や猫の健康に影響を与える可能性があります。そのため、加湿器を活用した湿度管理やダニ対策を徹底し、愛犬や愛猫が安心して過ごせるように配慮しましょう。
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