愛犬が「かわいいのでつい甘やかしてしまう」「叱り方が分からない」そんなお悩みを抱える飼い主様は多いのではないでしょうか。子犬のしつけは、飼い主様にとって悩ましく、時に難しい課題です。しかし、しつけは決して難しくありません。これから紹介する「3ステップ方式」なら、1日3回、各10分で簡単に始められます。
子犬は成長が早く、しつけを始める時期を逃すと、成犬になってから問題行動に悩まされることがあります。特に噛み癖や無駄吠えなどは、子犬の時期に適切な対応を行うことで防げます。しつけは、飼い主様と愛犬の信頼関係を築き、楽しい共同生活を送るために欠かせません。
今回は子犬のしつけに関する基本情報と、すぐに実践できる「3ステップ方式」などを解説します。
子犬のしつけの重要性
子犬のしつけは、生後2〜4ヶ月が「ゴールデンタイム」とされています。この時期は、犬の学習能力が最も高く、新しい習慣を身につけやすいからです。特に「社会化期」と呼ばれるこの期間は、良い行動も悪い行動もすぐに学びます。だからこそ、「今」しつけを始めることが将来的なトラブルを防ぐ鍵となります。
しつけを子犬の時期に行うことで、以下のような将来的なメリットがあります。
・無駄吠えや噛み癖などの問題行動を防げる
・飼い主様と信頼関係が深まり、指示が通りやすくなる
・動物病院やトリミングサロンでも落ち着いていられる
・災害時など、緊急時にも指示通りに行動できる
さらに、しつけは犬にとっても安心材料となります。「どう行動すればいいのか」を理解できるため、混乱やストレスを感じにくくなるのです。
今からできる!子犬のしつけ3ステップとは?
子犬のしつけは、「長時間やらないと効果がないのでは?」と思われがちですが、実は短時間集中のほうが効果的です。子犬は集中力が短いため、10分程度のトレーニングを短時間で繰り返すほうが学習効果が高まります。また、長時間続けると飽きてしまい、しつけ自体に悪い印象を持つ原因になります。
しつけには、おやつとリードを用意しましょう。クリッカー(音を使うしつけ用の道具)やおもちゃなどがあると便利です。
【しつけの基本姿勢】
<褒める>
良い行動をしたらすぐに褒めてあげます。おやつや笑顔で喜びを伝えましょう。
<待つ>
失敗しても焦らず待ちます。できたときにしっかり褒めます。
<一貫性を持つ>
家族全員で同じ指示や対応をすることで、犬が混乱しないようにします。
ステップ1:まずはトイレから(1〜2週間)
トイレトレーニングは最初のしつけの基本です。 トイレのしつけは、朝・昼・晩の3回行い、以下のタイミングを狙いましょう。
・朝:寝起きは必ずトイレに行きたくなるタイミングです。
・昼:食後30分以内は排泄のチャンスです。
・夜:就寝前にトイレを済ませることで、夜間の粗相を防げます。
<トイレの場所の選び方と誘導方法>
トイレは静かで落ち着ける場所に設置します。誘導するときは「トイレに行こうね」と優しく声をかけましょう。成功したら必ず「よくできたね!」と褒め、おやつを与えます。
<トイレに行きたいサインの見分け方>
・クンクンと床の匂いを嗅ぐ
・そわそわして落ち着きがない
・特定の場所を行ったり来たりする
<トイレシートと外トイレの使い分け>
まずは室内でトイレシートを使い、場所を覚えさせます。トイレが安定してできるようになったら、少しずつ外での排泄を経験させましょう。これにより、散歩時にも外でトイレができるようになります。
ステップ2:基本の「お座り」(2〜3週間)
「お座り」は、犬にとって基本中の基本です。これを教えることで、犬が気持ちを落ち着かせ、次の指示も入りやすくなります。
<お座りの教え方(段階形式)>
①おやつを見せて興味を引く:おやつを手に持ち、犬の鼻先に近づけます。
②おやつを上に上げて自然とお座りを促す:犬が頭を上げると自然に腰が下がります。
③「お座り」の声かけを加える:お座りの動作に合わせて、「お座り」と声をかけます。
④少し離れた場所からも練習する:徐々に距離を取り、どんな状況でも指示が通るようにします。
<成功のコツ>
・短時間で終える:10分以内で切り上げ、集中力を保ちます。
・必ず成功体験で終わる:できたら褒めて終わることで、犬は自信をつけます。
・家族でルールを統一する:声かけや対応が統一されていることで、犬が混乱しません。
ステップ3:生活リズムを作る(1ヶ月目〜)
生活リズムは子犬の心身を安定させ、しつけをスムーズにするために重要です。以下のポイントを押さえましょう。
<食事・散歩・遊び・睡眠の時間帯を固定する>
・食事:1日3回、同じ時間に与えます。
・散歩:同じ時間に短めの散歩を取り入れ、外の環境に慣れさせます。
・遊び:食後30分〜1時間後がベストタイミングです。
・睡眠:夜は暗くして、静かに寝かせる環境を整えます。
<ケージ(部屋)の選び方・置き場所・使い方>
・ケージは、犬が安心して休める静かな場所に設置します。
・ケージの中には、ベッドや毛布などを入れて快適な空間を作ります。
・日常的に短時間でもケージに入れる練習を行うことで、留守番時のストレスを軽減できます。
<留守番練習の方法(段階的に実施)>
①数秒程度、部屋を出てすぐに戻る短時間留守番から始めます。
②おもちゃや知育玩具を用意し、留守番を楽しいものと感じさせます。
③留守中はラジオなどの音をつけておくと、静寂が不安になるのを防げます。
<散歩の教え方(引っ張り防止)>
最初の散歩ではリードを短めに持ち、飼い主様のペースで歩くことを覚えさせます。引っ張ったら止まり、リードを緩めたタイミングで歩き出すことで、「引っ張っても進めない」と学習します。
成功時の褒め方、失敗時の対応
<褒め方のポイント>
・タイミング:良い行動をした直後に褒めることで、「何が正しかったか」が伝わります。
・バリエーション:おやつや言葉、「よし!」という掛け声などを使い分けます。
<失敗時のNG行動とその理由>
・怒ってはいけない:恐怖心を与え、飼い主様を怖がるようになります。
・手で押さえつけない:身体的な恐怖は信頼関係を損ないます。
・おやつの使い過ぎ注意:おやつはあくまで補助です。褒め言葉や撫でることで喜びを与えましょう。
まとめ
子犬のしつけは、飼い主様と愛犬の信頼関係を築き、将来的な問題行動を防ぐためにとても大切です。本記事で紹介した「1日3回10分の3ステップ方式」は、忙しい飼い主様でも簡単に始められます。
さらに、子犬の健康を守り、感染症を予防するためには予防接種も重要です。しつけとあわせて定期的な予防接種を心がけましょう。
愛犬との楽しい生活は、日頃の観察と一貫した対応から生まれます。心配なことがあれば、ぜひ専門家や動物病院に相談しながら、安心できるしつけを実践してください。
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