動物の医療技術が進み、犬や猫も高齢となることが珍しくなくなっています。犬や猫が高齢になると、在宅で介護を行う状況になる可能性もあります。そのため、今のうちから飼い主様が在宅介護に関する知識をもつことで、より良い状態で老犬や老猫との時間を一緒に過ごすことができるでしょう。
今回は老犬や老猫の在宅介護について、介護が必要な時期や排尿介助のコツとトイレ環境の整備になどをご紹介します。
老犬・老猫の介護はいつから必要?
介護が必要になる時期は犬や猫、犬種によって異なりますが、小型犬は11歳以上、中〜大型犬は8歳以上、超大型犬は6歳以上が大体の目安です。猫では11歳以上が目安となります。
高齢期に差し掛かっても元気で問題なく生活が送れていれば介護は必要ありません。介護が必要なサインとしては、以下が挙げられます。
・食事がうまく食べられない(食欲が減ってきた)
・排泄時にふらつく、お漏らししてしまう
・排泄時にお尻や足が汚れてしまう
・歩くことを嫌がる、歩くときにふらつく
・寝たきりとなる
寝たきりの犬や猫の床ずれ防止と体位変換の方法
犬や猫が寝たきりの場合は同じ姿勢のまま過ごしていると、床ずれが起きてしまいます。床ずれを起こすと治療が困難になることが多いため、以下のポイントを押さえて、できる限り予防しましょう。
<床ずれ防止のポイント>
・床ずれ防止マットの上に寝かせる
・皮膚を清潔に保つ(汚れたらすぐに綺麗に拭く、オムツはこまめに変え、蒸れないようにする)
・骨が触れるところは、人間用の床ずれパッドなどを当てる
・足の関節の骨が当たるところは、足の間にタオルなどをはさむ
・体位変換を2、3時間おきに行う
体位変換は仰向けを経由して行うことは絶対に避け、伏せの姿勢を経由して行いましょう。体を引きずると床ずれ悪化の要因となるため気をつけましょう。大型犬の場合は以下のように上半身と下半身を分けて行うとやりやすいでしょう。
<体位変換のポイント>
1.前足〜上半身を伏せの状態にする
2.下半身も伏せの状態にする
3.前足〜上半身を寝かせたい姿勢に倒す
4.下半身も寝かせる
5.皮膚が引っ張られているところをなくす目的で、一度少し体を持ち上げてから下ろす
複数人で体位変換を行う場合は、何時にどちら側を下に寝かせたか、メモなどを置いておくと良いでしょう。
排尿介助のコツとトイレ環境の整備
うまく排尿できない場合は、中腰の姿勢を支えてあげましょう。排尿させる際はお尻や足が汚れてしまうことが多いため、こまめに拭いて清潔を保ちましょう。
また、関節炎などの痛みで中腰の姿勢が取れないこともあるため、その場合は痛み止めを内服することで、うまく排尿できるようになることもあります。
犬や猫の体を支えても排尿が難しい場合や寝たきりの場合は、下腹部を両手で挟んで優しくお尻側に向かって押すことで排尿させます。無理に強く押すと膀胱破裂の恐れがあるため、やり方が分からない場合は動物病院で教わるようにしましょう。
また、トイレの失敗が続く場合はトイレに辿り着くのがつらい、トイレまでの道のりが歩きにくいなどといった原因があるかもしれません。その際はトイレの場所を変えたり、増やしたりするのも解決策の1つです。
老犬や老猫の食事と水分補給
食欲がなくなってきた場合は、柔らかいフード(セミモイストフードやウェットフード)にしたり、スープを足したり、あたためたりすることで食欲が湧き、食べやすくなることがあります。
それでも食べない時は、流動食をシリンジから口に入れてあげる方法もあります。フードを与える際は、犬や猫の体を起こして伏せの状態にしてから少しずつ与えましょう。飲み込んでいないのに無理に与えたり、寝かせたりしたまま与えると、誤嚥性肺炎などのトラブルにつながるため、慎重に行いましょう。
自力で水を飲みに行けない場合は、水分も食事と一緒に与えましょう。1日に必要な水分量については、持病なども考慮して獣医師から指示を受けると良いでしょう。老犬や老猫は喉が渇いても気づかないこともあるため、飼い主様が管理することが大切です。
在宅介護に必要な準備と心構え
在宅介護で準備すべき用品は老犬や老猫の状態によって異なりますが、主に以下のようなものが挙げられます。

犬や猫の介護には経済的な面も考慮が必要
介護はどうしても時間とお金が必要です。飼い主様が働いていて介護の時間が取れない場合などは、動物病院や老犬・老猫ホームなどに相談してみましょう。また、介護グッズや消耗品が多く必要であるため、お金もかかります。
犬や猫を迎える際には最期を納得して見送るためにも、あらかじめ高齢期に入った時や介護が必要になった時の心構えと経済的な準備をしておくことが大切です。
まとめ
犬や猫の介護は便利グッズや知識を活かすことで、取り組みやすくなるはずです。しかし、抱え込むと疲れてしまいますので、その際は介護施設やケアサービスといった選択肢があることも覚えておくと良いでしょう。
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